<月別の育成方法>
季節に合わせてご覧ください。

1月2月3月4月5月6月
7月8月9月10月11月12月



<基礎知識>

大きくボール状に咲く気品の日本にはツツジが非常に多く生息していて、その種類の多さは世界一と言っても過言ではありません。常緑性や落葉性、半落葉性と品種は多種多様で花色、花形共に変化に富んでいます。庭に植えれば基本さえ正しくできていれば毎年たくさんの花が咲き続けます。またどんな環境でもきわめて丈夫で、ダニやグンバイムシといった害虫さえ気をつければとても良く生育し、また、ほとんどの品種が耐寒性に優れています。公園や路上の植え込みなどで使用されることが多いので大きさなどの違いはありますが、みなさんもどこかで見たことがあることでしょう。当店では4月〜5月に咲くクルメツツジを中心に扱っております。クルメツツジの花は小さく可憐で、樹冠が埋まってしまうほど多くの花が咲きます。

<栽培場所>

ツツジは全般的に陽光を好むため、日光が良く当たる場所が栽培する場所として適しています。

<栽培用土>

栽培する土ですが、ツツジと同じく酸性土を好むところから赤土や火山灰質の黒土で腐植質を多く含む軽い土が適していて、ピートモスと鹿沼土を混ぜ合わせたものなどが最も適しています。当店もピートモスと鹿沼土の混合させた土を使用しています。

<植え付け>

植え付けは、3月〜4月と9月〜11月が良いでしょう。花芽は7月〜9月にかけて新鞘の先端につくられるので、花の終わった直後に刈り込みを行って、樹冠を整えると翌春に綺麗に咲きます。

<肥料>

多肥は必要としませんので、春の育成開始に間に合うよう3月位に「なたね油かす」(油かすの呼び名が一般的)を与えると良いでしょう。
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[ 1月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 寒さがいっそう厳しくなる季節です。この時期ツツジは休眠しているように見えますが、常緑性のツツジは暖かくなればすぐに生育を始めます。このことからなるべく晴れた日には日光に当ててあげると良いでしょう。(落葉性のツツジは葉がありませんので日光に当ててあげてもそれほど意味がありません。)

<霜よけ>
 鉢植えの場合、落葉性のツツジは特に必要ないでしょうが、常緑性のツツジは行った方が良いでしょう。霜よけは霜が降りそうな日に室内に取り込んであげればそれでOKです。ただ量が多い場合ビニールハウスやガラス室を用意してその中に入れた方が良いでしょう。

<肥料について>
 全くあげる必要はありません。

<潅水について>
 乾燥がひどい場合、暖かい日の午前中に潅水を行います。庭植えはあまり行う必要もないでしょうが、鉢植えの場合はこまめにチェックして乾いていたら行うようにします。(2〜3日に1回程度)

<備考>
 落葉性ツツジはほとんど防寒する必要はありませんが、防寒するとより安全に冬を越すことができます。
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[ 2月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 寒さはまだまだ厳しく、ツツジの多くは休眠を続けています。

<霜よけ>
 1月に引き続き霜に備えておく必要があります。鉢植えの場合、落葉性のツツジは特に必要ないでしょうが、常緑性のツツジは行った方が良いでしょう。霜よけは霜が降りそうな日に室内に取り込んであげればそれでOKです。ただ量が多い場合ビニールハウスやガラス室を用意してその中に入れた方が良いでしょう。

<肥料について>
 全くあげる必要はありません。

<潅水について>
 乾燥がひどい場合、暖かい日の午前中に潅水を行います。庭植えはあまり行う必要もないでしょうが、鉢植えの場合はこまめにチェックして乾いていたら行うようにします。(2〜3日に1回程度)

<備考>
 庭植えのツツジは積雪が多い地方の場合、雪が低温から樹を守ってくれます。積雪の少ない地方ではそうはいきませんから防寒設備の点検を怠らないようにしましょう。
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[ 3月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 まだまだ気温が低い日もありますが、中旬にはようやく春の兆しが感じられる季節となります。気温の上昇に伴って土温も上昇し、葉や根の活動が活発化してきます。

<霜よけをはずす>
 庭植えのもので霜よけをしておいたものは気温が上昇したらはずします。

<植え付け・植え替え>
 3月は植え付け・植え替えの適期です。植え付けを行う場合は日当たりが良く、排水の良い土壌で、浅植えにすることがポイントです。植える場所に穴を掘りピートモスをいれ少し土を戻してまたピートをいれ2〜3層くらいにしてあげます。その後、根をよくほぐした苗をその場所に置き、土をかけてあげ、最後にたっぷりと潅水します。しばらくは当分潅水の必要はありませんが乾きが目立ってきたら行いましょう。鉢植えから鉢植えの場合は鉢から抜き、根をよくほぐしてから一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。(同様に植え替え後はたっぷりと潅水してあげます)※植え付け・植え替えの時、根に付いた土を水洗いなどしてよく取りのぞいてから行うと、新しく植え替えた用土に根を伸ばすようになるのでうまくいきます。

<肥料について>
 施さなくても良いですが、中旬頃油かすを少量与えても良いでしょう。この時期に肥料を施すと花もちが良くなります。

<潅水について>
 乾燥した日が続いた場合は暖かい日の午前中に潅水を行います。鉢植えの場合はこまめにチェックして乾いていたら行うようにします。(1日に1回程度)  気温が上がり始めるとツツジ類は多く水を要求するようになるので水をきらさないようにしましょう。水をきらすと花芽の成長が止まって蕾が落ちることもあります。

<備考>
 今月下旬には暖かい地方では鉢の植え替えや、鉢植えのものを庭に植え付けることができます。(ただし今年は花を見ることができなくなる場合があります)寒い地方ではまだまだ冷たい乾燥した風が吹いていることもあるので、霜よけなどは気温が上がってくるまではずさない方が賢明です。また、積雪の多い地方では雪で樹が守られていたものが雪が溶けるに従って防寒効果が薄れるので、その後の低温には十分に注意が必要です。
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[ 4月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 気温は次第に温暖になっていくので、樹全体の活動が活発化してきて、下旬までにはほとんどのツツジが開花します。

<花の咲きがらつみ(花が咲き終わったものから)>
 植物が花を咲かせるのは言うまでもなく子孫を残すための「種」を作るためです。「種」を実らせるために多くの精力をつかうので、「種」をつけさせず花が咲き終わったら早めに咲きがらを取り除いた方が、樹勢があまり衰えさせずに育成する事ができます。こうすることで翌年たくさんの開花を期待できます。

<肥料について>
 特に必要ないでしょう。開花前に施すと開花後の花持ちが悪くなります。

<潅水について>
 乾いてきたら葉水を行うと同時に土への潅水もたっぷりと行いましょう。庭植えは様子をみて、鉢植えは1日1回程度行い、気温がだいぶ上昇してきたら1日2回与えるのも良いかもしれません。

<備考>
 植え替え・植え付けは3月中に行う方が良いですが、4月中でも可能です。あまり行う時期が遅すぎると樹勢が衰え翌年開花しない場合があります。
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[ 5月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 ツツジには最も飼育に適した気候になる時期です。開花が終わったものについては特に生育の最盛期を迎えます。

<花の咲きがらつみ>
 先月同様、花が咲き終わったものについては早めに「咲きがら」を取り除きましょう。「種」を実らせるために多くの精力をつかうので、「種」をつけさせず花が咲き終わったら早めに咲きがらを取り除いた方が、樹勢があまり衰えさせずに育成する事ができます。こうすることで翌年たくさんの開花を期待できます。

<刈り込み>
 花が咲き終わったら刈り込みをすると樹形が良くなります。枝切りバサミなどで思い切って刈り込んであげましょう。(大抵は樹の大きさに合わせて3cm〜10cm程度丸めに刈り込むようです)

<肥料について>
 花が終わったら感謝の意をこめて「お礼肥」をしましょう。

<潅水について>
 1日に1〜2回ほど(通常は1回でよい)土の乾き具合をみてあげましょう。花がまだ咲いていないものについては根元にするようにします。

<備考>
 ツツジ同様、新芽がたくさん出すぎた等の理由で葉が混みあいすぎている場合は枝の間引きをしましょう。
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[ 6月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 ツツジもほとんど花がおわった頃です。先月同様生育の最盛期を迎えます。

<花の咲きがらつみ>
 先月同様、花が咲き終わったものについては早めに「咲きがら」を取り除きましょう。「種」を実らせるために多くの精力をつかうので、「種」をつけさせず花が咲き終わったら早めに咲きがらを取り除いた方が、樹勢があまり衰えさせずに育成する事ができます。こうすることで翌年たくさんの開花を期待できます。

<刈り込み>
 今月花が咲き終わったものについては刈り込みをしてあげましょう。(樹形を良くさせる事ができます)枝切りバサミなどで思い切って樹冠を刈り込んであげます。(大抵は樹の大きさに合わせて3cm〜10cm程度丸めに刈り込むようです)刈り込みについては5月〜6月の花が咲き終わった後にすぐおこないそれ以外は避けましょう。(花芽がつきにくくなるため)

<肥料について>
 花が終わったら感謝の意をこめて「お礼肥」をしましょう。(先月すでに与えたものは必要ありません)

<潅水について>
 土の乾き具合をみてあげましょう。特に乾いていない場合は控える様にします。

<備考>
 この時期ツツジにとっては挿し木が容易に行えます。挿し木で増やしたい場合はこの時期に行うようにすると良いでしょう。
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[ 7月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 梅雨があけると高温乾燥となるために生育が鈍ってきます。葉はだんだん厚みを増してきます。

<日よけ>
 特に行わなくとも大丈夫です。

<肥料について>
 全くあげる必要はありません。

<潅水について>
 庭植えの場合、晴天の日が長く続き地面がカラカラに乾いたら涼しい夕方くらいの時間帯に十分潅水してあげたてください。毎日少しづつ潅水すると湿害を発生させる原因となりますので注意が必要です。鉢植えの場合、土の乾き具合を見てあげてください。晴天の日は1日に1回〜2回くらい潅水してあげた方が良いかもしれません。

<備考>
 この時期は枝先に花芽ができる時期なので、刈り込みは行わないようにしてください。刈り込みしてしまうと来年開花する花が少なくなります。
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[ 8月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 厚さが厳しいので生育はかなり鈍ります。8月の終わり頃に近づくにつれて暑さがやわらぐので、徐々に生育が盛んになってきます。葉は厚みのある夏葉が多くなります。

<日よけ>
 特に行わなくとも大丈夫です。

<肥料について>
 花芽が発達する時期なので油かすと骨粉を8:2で混ぜたものを施すと効果的です。5寸鉢くらいの大きさであれば茶さじ2杯程度、地植えなら1平方メートルあたり10g〜15gくらで十分です。時期的には8月上旬にあげた方が良いようです。

<潅水について>
 先月同様です。庭植えの場合、晴天の日が長く続き地面がカラカラに乾いたら涼しい夕方くらいの時間帯に十分潅水してあげたてください。毎日少しづつ潅水すると湿害を発生させる原因となりますので注意が必要です。鉢植えの場合、土の乾き具合を見てあげてください。晴天の日は1日に1回〜2回くらい多いときには3回ほど潅水してあげた方が良いかもしれません。

<備考>
 この時期は集中豪雨や台風などが発生しやすい季節です。庭植えの場合、停滞水などで根が傷まないように水はけをよくしておくと良いでしょう。
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[ 9月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 次第に気温が下がってきますが、それとともに葉や根の活動は盛んとなってきます。花芽が形成が行われ下旬頃にはハッキリとわかるようになります。

<肥料について>
 全くあげる必要はありません。室内で育成する場合には少量「油かす」をあげても良いでしょう。

<潅水について>
 土の乾き具合を見てあげてください。朝、夕の涼しい時間帯に潅水してあげた方が良いかもしれません。

<備考>
 冬に備え十分日光に当てるようにしてください。
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[ 10月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 9月に引き続き幹や根が成長し、太ります。中旬頃になると根の成長は鈍くなり花芽が目立つようになります。

<肥料について>
 施す必要はありません。

<潅水について>
 庭植えの場合、特に行わなくとも大丈夫です。晴天が続き、葉が「しおれて」くるようであれば行うようにします。鉢植えの場合、晴天の日は1日に1回潅水してあげます。

<備考>
 この時期は4月・5月同様、植え替えの適期です。鉢植えのものは2年くらいを目処に大きな鉢へ植え替えたり、地におろしたりすると良いでしょう。
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[ 11月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 紅葉性の品種は葉が赤みを帯びてくる頃です。葉は厚さを増し、花芽は鱗片につつまれ、冬の準備が始まります。

<雪除け(積雪地の方へ)>
 寒さが厳しくなってきたら、行うようにしましょう。11月に行うのであれば、下旬ころが良いと思います。鉢植えの場合はビール箱のようなものを鉢の上にかぶせてあげればそれで大丈夫です。ビニールハウスの様なものが(それに変わるようなものが)あればそこへ入れてあげると安心です。庭植えの場合、冬の乾燥した冷たい風が直接当たらないように樹の周りにムシロなどを巻いてこれから守ってあげます。いったん雪が覆い被さればそれ自体が風から守ってくれるので良いのですけどね。

<刈り込み>
 極端に飛び出ているような枝を取り除く程度は良いでしょう。

<肥料について>
 全くあげる必要はありません。

<潅水について>
 庭植えのものは行わなくても大丈夫です。鉢植えのものでも2日に1回程度行えばOKです。

<備考>
 雪があまり降らず、気温も暖かい地方ではあまり手を掛ける必要がないので楽々育成させることができます。当店は新潟なので霜や北風には十分注意して育成しなければならないんですよ。
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[ 12月 ] ツツジの手入れ

<今月のツツジ>
 寒さが強くなり、成長は休止状態となります。落葉性のツツジは葉が全部落ちて休眠状態となります。

<雪除け(積雪地の方へ)>
 11月の手入れの中にも記載しましたが、もし行っていないようであれば行った方が良いでしょう。特に常緑性のツツジは冬の乾燥した冷たい風が苦手で、ひどいときには枯れることもありますので行うようにしましょう。鉢植えの場合はビール箱のようなものを鉢の上にかぶせてあげればそれで大丈夫です。ビニールハウスの様なものが(それに変わるようなものが)あればそこへ入れてあげると安心です。庭植えの場合、冬の乾燥した冷たい風が直接当たらないように樹の周りにムシロなどを巻いてこれから守ってあげます。 いったん雪が覆い被されば、それ自体が風から守ってくれるので良いのですけどね。

<肥料について>
 について  全くあげる必要はありません。

<潅水について>
 庭植えのものは行わなくても大丈夫です。鉢植えのものでも2日に1回程度、午前中に行うようにしましょう。

<備考>
 潅水を行う場合午前中に行うことを必ず守ってください。余分な水分が鉢の中に残っていると土が凍ることがあります。午前中に潅水すれば夕方くらいには余分な水分がなくなるはずです。
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